日本にも自生する花
ユリ属は100弱の原種が知られ、日本には15種の原種があり、鑑賞価値の高いものが多く、品種改良された多くの園芸品種は日本のユリを元に改良が進んでいきました。江戸時代に日本で生産された「スカシユリ」がヨーロッパに渡り、「オニユリ」「ヒメユリ」やヨーロッパ原産のユリと交雑しててきた品種が「アジアティック・ハイブリッド系」で「スカシユリ系」と呼ばれています。
日本の自生種は山岳地帯を含む森林や草原に自生することが多いお花です。
百合の分類
切り花として流通しているものは品種改良が盛んです。主に7つに分類できます。
- ロンギフローラム・ハイブフィッド系
- アジアティック・ハイブリッド系
- オリエンタルハイブリッド系
- LAハイブリッド系
- OTハイブリッド系
- LOハイブリッド系
- 原種系
ロンギフローラム・ハイブフィッド系
ロンギフローラム・ハイブリッド系のユリは、国内のテッポウユリやタカサゴユリを中心に交配させた種類で、大きく香りの高いトランペット状の白い花が外側に向いて咲きます。この分類種の原産地は日本で、特に琉球諸島原産のものが多くあります。洗練された美しさを持つこの系のユリは、近年では様々な形状のものを入手することができます。
アジアティック・ハイブリッド
アジアティック系のユリは、長さが短く花形がかたいイメージがあります。香りはないものが多く、色は非常に繊細なパステルカラーから鮮明な赤色やオレンジ色まで多様で、1本に5輪ほどの花をまとまってつけます。
品種
アイスダイヤモンド、メルーサ
オリエンタル・ハイブリッド系
「ヤマユリ」や「サクユリ」などの原種をベースに育成されたのが「オリエンタルハイブリッド系」。四方に広がって咲く大輪の品種。強い芳香があり、優雅な雰囲気を持つオランダで作出されて一世を風靡した「カサブランカ」「コンスタンス」が代表種。
品種
カサブランカ、クリスタルカサブランカ、ソルボンヌ、ウィルケアベルディ、ロビナ、パラデロ、タランゴ
LAハイブリッド系
1992年に紹介されたLAハイブリッドは、現在でもまだ新しい分類種とされています。
「アジアティック系」と「ロンギフローラム系」の雑種が、LA(ロンギフロナム・アジアティック)ハイブリッド系。
丈夫で成長の早い品種。小さな球根で大きな花が咲き、ボリューム感もあり、色も豊富なので、生産が急増しています。斑点が無い品種や、花粉が出にくい品種もあります。
品種
ロイヤルトリニティ、サムール
OT(オリエンペット・ハイブリッド)系
「オリエンタルハイブリッド」と「トランペットハイブリッド」の雑種が、「OTハイブリッド系」。「オリエンタル・ハイブリッド系」に無い黄色やオレンジの大輪が多い品種。
品種
イエローウィン、シェルプール
LOハイブリッド系
新しい交配種のLOハイブリッド系は、ロンギフローラム系とオリエンタル系との交配で生まれました。LOハイブリッド系の特徴は、オリエンタル系から受け継いだ素晴らしい香りを持ちながら、サイズが小さいことです。
原種系
品種
テッポウユリ、テッポウユリ・ドゥーサン、ヒメユリ
注意点
花に水滴がつくと「花しみ」ができやすいので、注意して活けて下さい。
通常咲いている百合の花粉は花びらにつかないよう除去されていますが、蕾の状態のものは花が咲くと花粉が落ちますので気をつける必要があります。花粉は衣服につくととれなくなる為、十分注意して下さい。
お花屋さんで購入する際は、葉先までピンとしている状態のものが新鮮です。
日本の産地
北海道、栃木県、埼玉県、千葉県、新潟県、長野県、高知県
海外の産地
オランダ、韓国
- 属性
- ユリ目 ユリ科 ユリ属
- 原産地・自生地
- 北半球(亜熱帯〜亜寒帯)
- 学名
- Lilium
Lilium longiflorum
- 英名
- Lily
- 和名
- 百合(ユリ)
- 開花期
- 5月〜7月
- 出回り時期
- 周年
- 花言葉
- 純潔、威厳、無垢、自尊心
- 水揚げ
- 水切り
- 品種
- カサブランカ、コンスタンス
- ドライフラワー
- X(お勧め致しません。)
- 切り花の日持ちの目安
- 約1週間。
花の褐変と、萎れ。
- 栄養剤
- ◎(効果が大きいので必ず使用して下さい。)
- 備考
- 切り花の鮮度保持材は小さな蕾も良く開き、葉の黄変を防ぐ効果もありますので必ず使用して下さい。
食用としての百合:「オニユリ」や「ヤマユリ」の品種は、ユリ根として「鱗茎(リンケイ)」「球根」を食す習慣があります。
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- ※日持ちの目安はあくまでも目安の基準としてご利用下さい。
- ※開花期・出回り時期は気候や状況次第で変化しますのでご注意ください。
- ※ドライフラワーは時間とともに色褪せていきますのでご注意ください。